海外進出において重要なこと
先日、バングラデシュにあるHONDA様の製造工場を訪れる機会がありました。現地法人の社長様から貴重なお話を聞くことができましたので、ご紹介させて頂きます。
総務・経理の重要性
「一に総務、二に経理、三、四がなくて、五に営業」
現地での成功の秘訣はここに集約されるようです。
現地の言葉の問題もあり、まずは現地で人を雇わなければ、事業が進みません。会社設立、許認可手続きなど、業務は多岐にわたります。まず最初は総務の出番となります。勤怠管理、労務管理、給与計算などをきちんと行い、従業員にしっかり働いてもらわなければなりません。
そして次に問題になるのが経理面。現預金の日々の管理はもちろん、在庫の管理や資金繰りなどを現地法人社長が取り仕切ることになります。しかし、通常、経理部門の方が現地法人社長を務めることは稀です。これまで経験したことのない業務なので、勘をつかむまでには時間がかかると思います。
海外では日本では考えられない常識で業務に臨まなければなりません。在庫について、盗難や業者への横流しは当たり前です。常に性悪説に立って、このような不正を防ぐ仕組みづくりを行い、そして継続して監督しなければなりません。
また、現地合弁企業に資金を任せている、など、ある意味信じられない管理をされているケースが実は多いのですが、新興国ではきちんと帳簿をつける習慣がないことも多く、人任せにしていると、使い込みなど不正のオンパレードが起こります。
少なくとも現金管理と帳簿付けは、社長自らが行わないまでも、チェックする必要があります。
日本では間接部門として真っ先に削減の対象となる総務・経理部門。しかし、新興国で成功するためには、むしろきちんとした人材を配置し、足を引っ張られることのないように、体制を整える必要があるのです。
私自身も海外進出される企業の左腕になるべく、今後奮闘してまいります。