税制改正のゆくえ(繰越欠損金、外形標準課税)
まだまだ年末にかけて色々な案が飛び交っている段階ですが、どうやら、中小企業の負担は抑えられる方向で改正が進みそうです。
繰越欠損金の改正(控除額の縮小)
繰越欠損金について、資本金1億円超等の法人については繰越控除額が単年度所得の8割までと制限されていましたが、これを6割まで縮小する案が出ています。
その代り、前回の改正同様、繰越期間の延長についても検討されており、現状の9年から12年に延長される見込みです。
なお、中小企業はこれまでどおり、全額の控除が認められる方向です。
外形標準課税の改正
中小企業への適用拡大が検討されてきましたが、新聞報道によれば、当面は大企業のみが対象になり、中小企業については負担増は生じない見込みです。
大企業については、外形標準課税の事業税に占める割合を全体の2分の1~8分の5まで拡大。資本金に応じた課税は廃止し、その代り、給与・家賃・利子(=付加価値)に対する課税を現状の2倍以上に拡げる案が検討されています。赤字企業にとっては負担が相当増加しますが、黒字企業はかえって負担が減少することになるようです。
※これまでの税制改正議論の一覧について下記に最新の情報をアップしておりますので、併せてご参照ください。