厚生年金保険の強制加入

平成26年7月4日付日本経済新聞に「厚生年金、加入逃れ阻止」の記事が掲載されていました。

ご承知の通り、法人は厚生年金の加入が義務付けられているのですが、保険料負担が重い等の理由から、現実には加入していない事業所が相当数あります(新聞報道によれば、その数、約80万社程度にのぼります)。

法人はすべて強制加入

法人は厚生年金の強制適用事務所となりますので、すべての法人が厚生年金に加入しなければなりません。これに例外はありません。これまでも、年金機構は未加入事業所に対して加入を推奨していましたが、十分な成果を上げられていませんでした。実際のところ、未加入事業所が勧奨を受けた、という話を聞くことは正直稀であったと思います。

国税との連携

そこで、国税との連携により未加入事業所を特定する方針が明らかにされました。国税庁から提供される源泉所得税の納付実績データと厚生年金の加入実績を照らし合わせ、未加入事業所を特定します。

源泉所得税は、給与から天引きされる所得税で、会社が個人に代わり国に納めています。源泉所得税の納付実績があるということは、当然給与を支払っている事実があるわけで、そうなれば、社会保険も加入すべき、となります。

加入勧奨は当初は電話や文書で行われ、それでも加入しない場合は、年金機構の職員が直接訪問します。未加入事業所に対しては、最終的には強制措置により加入手続きが取られます。なお、立ち入り検査に応じないなど悪質な場合は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金がかされる場合もありますので注意が必要です。

個人事業については、5人未満であれば原則任意適用となる

個人事業については、従業員5人未満であれば、加入は任意となります。5人以上であっても、農林業、水産業、飲食業、ホテル、理美容、レジャー等のサービス業、個人経営の法律事務所や会計事務所については、任意適用です。

今後の方向性

所得税の納付実績を押さえられてしまうことになったことから、今後も未加入を継続するのは難しくなります。従業員に対する福利厚生の一つであり、モチベーション向上につながるものととらえてはいかがでしょうか。

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