ソフトバンクGの追徴課税と現物出資
2019/6/20報道によると、ソフトバンクGにおいて投資ファンド(ソフトバンク・ビジョン・ファンド」へ株式を現物出資した際に時価と取得価額の差を損失計上したがこれを否認されたとのこと。
なぜそのような損失が発生するのか、また現物出資とは何か?
現物出資とは、金銭以外の財産(不動産や株式、貸付金など)をもって出資し会社を設立したり新株を引き受ける行為です。
財産を移転することから、基本的には譲渡したものとして取り扱うことになるため、時価より簿価が低ければ譲渡益、反対であれば譲渡損が生じることになります。
ただし、100%子会社へ現物出資するような場合は、「組織再編税制」が絡んできて、譲渡損益が繰り延べられるなどの措置があり、複雑な税制が絡んできます。
ソフトバンクGでの譲渡損は上記の理屈により譲渡損が計上されたものと思われますが、報道では、ファンドに対する出資があるため損失額の30%が認められず、とありました。上記組織再編税制が絡んでいるのでしょうか。また会社側コメントでは「翌期に損金算入される」とあり、一体どのような事象であったのか、報道だけではわかりませんが、いずれにせよ、金額も巨額で、注目の事案ということになりそうです。