M&Aと連結納税
M&Aと連結納税
2019/4/18 日本経済新聞に連結納税に関する画期的(?)な見直し案が掲載されていました。
連結納税はこれまで税制改正を重ね、採用に際してのデメリットは随時見直しがされ納税者有利となっていました。
しかしながら、M&Aを多く実施する企業においては、①資産の時価評価、②欠損金の切り捨て、という2つのデメリットがあることから、連結納税を採用しない、というケースも多かったのが実情です。
この改正が実現されれば、グループ会社についてはより連結納税の導入が進むことになりそうです。
<日本経済新聞2019/4/18記事より転載>
M&A時の税負担軽減 財務省案、連結納税見直し案 2019/4/18 19:00
政府税制調査会(首相の諮問機関)は18日、企業グループを一体とみなして税金を計算する連結納税制度について専門家会合を開いた。財務省は連結納税をしている企業がM&A(合併・買収)によってグループを拡大する際の税負担を現状より軽減する案を示した。
新たに買収する会社をグループに加える段階では、その会社がもともと持っていた含み益に課税せず、欠損金も一定の限度内で持ち越して税負担を軽減できるようにする内容。機動的なM&Aを後押しする。
連結納税は、グループ各社がもつ赤字と黒字を相殺することで、グループ全体で税負担を軽くできる制度だ。これまで買収した会社を連結対象に加える場合は、その会社が持っていた含み益に課税し、欠損金を持ち越せないようにすることも求めていた。
このルールによって思わぬ税負担が生じて買収価格が変動したり、M&Aにかかる事務作業が増えたりする問題があり、経済界や専門家から見直しを求める声が上がっていた。
財務省は同時に、連結納税制度を使った悪質な租税回避を防ぐための対策を強化する方針も示した。