税効果
復興法人税の1年前倒しでの廃止、法人住民税の一部国税化(地方法人税の創設)、さらには事業税について地方法人特別税と事業税の比率見直しなどの改正が行われることになりました。具体的には、平成平成26年10月1日以後開始事業年度から改正されますので、3月決算会社の場合、平成28年3月期から適用となります。
表面税率は全体ではほとんど変わらないものの、その内訳が変わることとなります。
単体納税であれば、基本的に従来とほとんど変わらず、復興法人税の廃止のみを織り込めば特に従来通りの実効税率を使用してもほとんど問題がありません。しかし、連結納税を採用している会社の場合、国税と地方税の入り繰りが生じるために、実効税率の考え方が非常にややこしいことになってしまいました。すなわち、連結納税の場合、国税である法人税と、地方税の繰延税金資産の回収可能性を別々に判定することがあり、実効税率について国税分と地方税分を計算しておく必要があります。
以下ご参考までに、東京都の場合の実効税率をご紹介します。ただし、事業税については現時点で条例が可決されていないことから、全体の税率が変動しないとの前提で算出したものである点につきご注意ください。
(※最新情報 : 平成26年6月9日号税務通信によれば、6月3日付で下記税率で改正が行われる旨東京都より明らかにされています。正式には平成26年第2回都議会定例会(平成26年6月25日閉会)で条例の改正提案が行われます)
東京都/外形標準課税対象法人の場合
改正前 | 改正後 | ||
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住民税 | 法人税割 | 20.700% | 16.300% |
地方法人税 | - | 4.400% | |
事業税 | 400万円以下(標準) | 1.500% | 2.200% |
400万円以下(超過) | 1.690% | 2.390% | |
800万円以下(標準) | 2.200% | 3.200% | |
800万円以下(超過) | 2.475% | 3.475% | |
800万円超(標準) | 2.900% | 4.300% | |
800万円超(超過) | 3.260% | 4.660% | |
地方法人税 | 148.000% | 67.400% |
実効税率(H28.3期以降) | ||
---|---|---|
法人税率 | 25.50% | |
住民税率 | 5.279% | (法人税率×住民税率) |
事業税率 | 7.558% | |
合計表面税率 | 38.34% | ① |
1+事業税率 | 107.558% | ② |
①÷②= | 35.643% |
実効税率(H27.3期) | ||
---|---|---|
法人税率 | 25.50% | |
住民税率 | 5.279% | (法人税率×住民税率) |
事業税率 | 7.55200% | |
合計表面税率 | 38.33% | ① |
1+事業税率 | 107.552% | ② |
①÷②= | 35.639% |
実効税率(H26.3期) | ||
---|---|---|
法人税率 | 28.05% | |
住民税率 | 5.279% | (法人税率×住民税率) |
事業税率 | 7.55200% | |
合計表面税率 | 40.88% | ① |
1+事業税率 | 107.552% | ② |
①÷②= | 38.010% |