平成27年度税制改正大綱⑥新設の「地方拠点強化税制」
アベノミクスの重要な成長戦略である「地方創生」を促進するための税制として「地方拠点強化税制」が新たに整備されることになりました。
拡充型
すでにある地方(三大都市圏除く)の本社機能を強化する企業に対し、以下の優遇措置が設けられます。
1.雇用促進税制
・増加雇用者1人当たり50万円を税額控除(従前は40万円)
・雇用増加率10%未満であっても1人当たり20万円を税額控除
2.オフィス取得減税
特別償却15%又は税額控除4%※(法人税額の20%限度)
※平成29年3月31日までの間に地方拠点強化実施計画の承認を受けた場合。それ以後は2%
移転型
東京23区から地方(三大都市圏除く)へ本社機能を移転する企業については、さらに税制上優遇される措置が適用されます。
1.雇用促進税制
・増加雇用者1人当たり80万円を税額控除(上記拡充型に30万円上乗せ)
・上乗せ30万円は雇用を維持していれば最大3年間継続
・法人全体で雇用者が増加していなくても、東京から地方への移転者には適用
2.オフィス取得減税
特別償却25%又は税額控除7%※(法人税額の20%限度)
※平成29年3月31日までの間に地方拠点強化実施計画の承認を受けた場合。それ以後は4%
その他の要件
・平成30年3月31日までの間に地域再生法の地方拠点強化実施計画(仮称)について承認を受けていることが前提となる。
・上記の承認の日から2年以内に、その地方拠点強化実施計画に記載された建物及びその附属設備並びに構築物で一定の規模以上(中小企業は1,000万円以上、それ以外は2,000万円以上)の取得をしその事業の用に供したことが条件となる。
ITはこれからも進化し続けます。すでに国境を越えた情報のやり取りが当たり前の世界です。日本国内の地域格差は、ITの進化に伴い、縮小することは確実だと思います。そうなれば、生活コストが安く、かつ文化が豊かな地方は、社員の総合的な幸せを考えれば、今後もますますビジネスの拠点としての優位性を獲得していくのではないでしょうか?