平成27年度税制改正大綱④事業税の改正(外形標準課税の課税ベース拡大)
法人税率引き下げと引き換えに、事業税・外形標準課税の課税ベースが拡大されることになりました。ただし、対象は資本金1億円超の法人であり、従来どおり、資本金1億円以下の中小法人は外形標準課税の対象外となることから、課税ベース拡大の影響は受けません。
法人事業税・外形標準課税の拡大
資本金1億円超の普通法人の標準税率は下記の通り改正されます。
現行 |
改正案 |
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H27年度 |
H28年度~ |
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付加価値割 |
0.48% |
0.72% |
0.96% |
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資本割 |
0.2% |
0.3% |
0.4% |
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所得割 |
年400万円以下 |
3.8% |
3.1% (1.6%) |
2.5% (0.9%) |
年400万円超800万円以下 |
5.5% (3.2%) |
4.6% (2.3%) |
3.7% (1.4%) |
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年800万円超 |
7.2% |
6.0% (3.1%) |
4.8% (1.9%) |
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地方法人特別税 |
67.4% |
93.5% |
152.6% |
資本割の課税標準見直し
資本金等の額<(資本金+資本準備金)の場合に(資本金+資本準備金)の額が課税標準となる措置が追加されます。これは、自己株式取得等により資本金等の額がマイナスになるケースを想定しています。ケースバイケースですが、資本金等の額がマイナスとなっている会社も多く見受けられ、現状では資本割が発生していないのですが、今後は最低限、(資本金+資本準備金)に対して資本割の負担が生じることになります。またこれは均等割の算定における資本金等の額についても、同様の見直しがされます。
付加価値割における所得拡大促進税制の導入
所得拡大促進税制と同様の仕組みで、基準年度と比較して3%以上(平成28年度は4%以上、平成29年度は5%以上)給与等支給額が増加した場合はその増加額を課税標準から除外する負担軽減措置が設けられます(平成27年4月1日~平成30年3月31日まで開始の事業年度)。
事業税の税率見直し伴う負担軽減措置
資本金1億円超の法人のうち付加価値額が40億円未満の法人については、税率アップに伴う負担増加部分について、以下のとおり税額を軽減する措置が設けられます(平成27年4月1日~平成29年3月31日まで開始の事業年度)。
・付加価値額30億円以下は2分の1
・付加価値額30億円超40億円未満は2分の1~ゼロ